
通常の健康診断を受けていれば、「目の健康」は大丈夫。そう思っていませんか?
実は、通常の健康診断で受ける検査だけでは、目の健康を確認するために不十分な場合があります。
また、目の病気の中には、自分ではなかなか気づきにくいものもあります。
人生100年時代を、健康な目と楽しむために、
40歳以上の方は、年に1度は眼科専門医による、目の健康診断を受けるようにしましょう。1)
目の健康診断では、以下のような検査を受けることができます。
- 1) 日本眼科医会ホームページ 目についての健康情報 目の定期検査のすすめ
https://www.gankaikai.or.jp/health/43/03.html[2021年3月22日閲覧]
目の健康診断で受ける検査とは?1)
【視力検査】
よく見る『C』のようなマークは世界共通の記号で『ランドルト環』といいます。
遠くを視る力はもちろん、近くを視る力だって調べられます。
わからないときは当てずっぽうはだめ。ちゃんと答えましょう。
【眼圧検査】
眼球の硬さ(圧力)に異常がないかを、空気を角膜に吹きつけたときのへこみ方で調べます。
ひゅっと風がきてびっくりするあれです。器具で直接触れて測る方法もあります。
【細隙灯顕微鏡検査】
目に光を当てながら、傷やくもりがないかを調べます。
目に当てるスリット状の光、少しSFみたいでワクワクしませんか?
【眼底検査】
普段は見えない目の奥を、瞳孔をひらいてのぞかせていただきます。
網膜、血管、神経に異常がないか光を当てて直接見て調べます。眼底の状態を写真撮影することもできます。
【光干渉断層計検査】
目をカメラに例えるとフィルムにあたる網膜にディープダイブ!
赤外線を当ててCTスキャンのように網膜の断面を撮影し、むくみやはがれがないかを3次元的に調べます。
【視野検査】
見えている範囲に欠けている所がないかを調べます。中央を見つめてもらいながら、周囲で点を光らせて調べます。
異空間にタイムスリップするような、不思議な体験です。
検査内容や所要時間は眼科によって異なります。事前に各眼科にお問い合わせの上、受診いただくことをおすすめします。
- 1) 日本眼科医会ホームページ 目についての健康情報 目の定期検査のすすめ
https://www.gankaikai.or.jp/health/43/05.html[2020年8月25日アクセス]
- 監修 :
- 東京女子医科大学 眼科学講座 教授・講座主任 飯田 知弘 先生
目の健康診断・電話で事前予約
電話で目の健康診断を事前予約する際、右のように眼科に伝えると、スムーズに目の健康診断を受けていただけます。ぜひご活用ください。
また、検査内容や所要時間は眼科によって異なります。事前に各眼科にお問い合わせの上、受診いただくことをおすすめします。
- ※無症状の場合は保険適用外です。何らかの症状があれば保険が適用されます。

目の健康診断を受けるには?
お近くの眼科で、「目の健康診断を受けたい」と受付で伝えてください。お近くの眼科は、下のボタンから検索できます。検査内容や所要時間は眼科によって異なります。
事前に各眼科にお問い合わせの上、受診いただくことをおすすめします。
【体験レポート】目の健康診断に行ってみました
どのような流れで、目の健康診断が行われるのか・・・?実際に目の健康診断に行ってみました。SFのような光を見ながら受ける検査や、初めて見る目の底の写真など、目の健康診断には驚きがいっぱいでした。
検査内容取材協力:二本松眼科病院(東京都江戸川区)

受付
入り口では、新型コロナ感染予防のため、検温、消毒が行われていました。しっかり対策されていて、安心して院内に入れました。
① 屈折(度数)検査
最初に案内されたのは、おなじみの気球が見える検査。近視、遠視、乱視の度合いと、目の形を調べてもらいました。

② 視力検査
次は視力検査へ。最初はメガネで、次に裸眼で、最後に矯正レンズで視力を調べてもらいました。矯正してどの程度、視力が上がるか、も大事なチェック項目だそうです。


③ 眼圧検査
続いて、空気をひゅっと目に当てる「眼圧検査」を受けました。この検査、いつもびっくりしてしまうのですが、空気をあてて眼の形がどう変わるかで、眼球の硬さ(圧力)を測っているそう。緑内障を見つけるために大切な検査だとおっしゃっていました。


次の検査の準備
眼底検査をするための専用の目薬を差して、しばらく座ってまちました。4~5時間、手元が見づらくなったり、まぶしくなるそうで、帰りに車や自転車を運転する予定がないか、質問されました。
④ 眼底検査
かなり目の見え方がまぶしくなったところで、眼底写真の撮影です。先生曰く、最近導入した検査機器とのこと。目を見開いて片目ずつ撮影しました。


⑤ 光干渉断層計検査
次は、まったく初めての検査でした。
網膜をスキャンしてみる検査だそうです。
検査自体はとても簡単で、画面の中の青い線を見ている間に撮影が終了していました。少し未来感がありました。
- ※眼科によって実施していない場合もあります。


⑥ 視野検査
今回の体験でいちばん印象に残ったのがこの視野検査。白いお椀のような検査機器に頭を固定し、一点を見た状態で、周囲の光が見えるかを、左右それぞれ8分程度ずつ調べました。
異空間をさまよっているような不思議な体験でした。
- ※目の状態によって実施しない場合もあります。


診察
最後に、診察で先生が眼底を直接見てくださり、今日の検査結果を紙で見せてもらいながら説明を受けました。特に印象的だった3つの検査の結果について紹介します。
まず、光干渉断層計検査の結果は、こんな画像でした。目の奥の網膜の断面だそうです。地層のような模様の間に水がたまったりすると、見え方が変わってしまうそうです。まっすぐきれいな断層でよかったです。

長時間で大変だった「視野検査」の結果は、詳しくどこが見えているか、点でかかれたレポートをもらいました。この点1つずつチェックしてたんですね。
黒いところは「盲点」で、誰にでもあるものだそうです。

眼底検査で撮影した写真です。特に異常は見つかりませんでした。
ほっ。血管がはっきり見えました。

以上で、目の健康診断は終了でした!おつかれさまでした。

これまでの取り組み
VISION 100では、目の健康にまつわる記念日などに合わせて、さまざまなキャンペーンを実施してきました。
2020年 目の愛護デー
「#目の健康診断に行ってみよう」キャンペーン
10月10日の「1010」を横に倒すと眉と目に見えることから、10月10日は「目の愛護デー」とされています。VISION 100では、「目の健康診断」をより多くの方に受けていただけるよう、以下の取り組みを実施しました。
目の健康クイズ
【WEBサイト】
目の健康にまつわるクイズを本WEBサイトで掲載いたしました。
ぜひ挑戦してみてください。



目の健康を「視力」だけで判断するのはまちがい。たとえば初期の緑内障では視野の欠けなどが先にあらわれ1)、視力検査だけでは病気は見つかりづらいです。定期的に眼科専門医による「目の健康診断」で、視力以外の検査も受けましょう。
- 1) 宮田和典編:とことん!眼科のベーシック [眼科ケア2015年冬季増刊], p206-207, メディカ出版, 2015.



通常の健康診断の項目で行われる目の検査は、「目の健康診断」のために必要な項目の一部だけです。また、目の項目が含まれていないこともあります。年に1度は眼科専門医による「目の健康診断」を受けましょう1,2)。
- 1) 日本眼科医会ホームページ 目についての健康情報 目の定期検査のすすめ https://www.gankaikai.or.jp/health/43/
[2020年8月19日アクセス] - 2) 山田昌和ほか:日本の眼科 88(1): 付録50-57, 2017.



40歳を過ぎると、老眼や緑内障をはじめ様々な目の病気が起こりやすくなります。自覚症状が出にくい病気も多く、40歳になったら眼科専門医による「目の健康診断」を受けましょう。



自分では老眼だろうと思っていても、他の病気による視力低下など1)が隠れていることもあります。40歳以上の方は、年に1度は眼科専門医による「目の健康診断」を受けましょう2,3)。
- 1) 岩本俊彦:Geriatric Medicine(老年医学) 50(5): 648-649, 2012.
- 2) 山田昌和ほか:日本の眼科 88(1): 付録50-57, 2017.
- 3) 日本眼科医会ホームページ 目についての健康情報 目の定期検査のすすめ https://www.gankaikai.or.jp/health/43/
[2020年8月19日アクセス]



老化によってあらわれる目の病気には、「老眼」以外にも、「緑内障」「白内障」「加齢黄斑変性」などがあります1)。定期的に眼科専門医による「目の健康診断」を受け、早期発見することが大切です2)。
- 1) 岩本俊彦:Geriatric Medicine(老年医学) 50(5): 648-649, 2012.
- 2) 山田昌和ほか:日本の眼科 88(1): 付録50-57, 2017.



目に不調がなくても、眼科では「目の健康診断」を受けることができます。日本眼科医会からは、年に1度は眼科専門医による健診を受けることが推奨されています1,2)。お近くの眼科で受けてみましょう。
- 1) 日本眼科医会ホームページ 目についての健康情報 目の定期検査のすすめ https://www.gankaikai.or.jp/health/43/
[2020年8月19日アクセス] - 2) 山田昌和ほか:日本の眼科 88(1): 付録50-57, 2017.
【ブックカバー】
目の健康にまつわるクイズが掲載されたスペシャルブックカバーを、全国のジュンク堂書店にて配布いたしました。

- 監修 :
- 東京女子医科大学 眼科学講座 教授・講座主任 飯田 知弘 先生
2021年 世界緑内障週間
「緑内障は気づきにくい」キャンペーン
2021年3月7日~13日の世界緑内障週間には、緑内障を早期発見するための「目の健康診断」を啓発する「緑内障は気づきにくい」キャンペーンを実施いたしました。
緑内障とは?
緑内障は、目の神経(視神経)がさまざまな原因で変化してしまい、視野が徐々に欠けたり、狭くなったりする病気です。
40歳以上の20人に1人は緑内障1)と言われていますが、
この病気は初期症状に気づくことが出来ず、受診が遅れてしまいがちです。
一度悪くなると元に戻らない病気で、長い時間をかけて少しずつ進行し、ついには失明に至ることも。
緑内障は、病気による失明原因の第1位なのです2)。
早いうちに緑内障を見つけるためには、眼圧・眼底・視野の検査といった「目の健康診断」を受けることが重要です。
世界緑内障週間中に眼科を受診してみましょう!
- 1) 日本緑内障学会緑内障診療ガイドライン作成委員会: 緑内障診療ガイドライン(第4版). P18, 平成30(2018)年1月10日
- 2) 厚生労働省2017年研究報告書
こちらもチェック
- ・強い近視の方や冷え性の方、血縁者に緑内障の患者さんがいる方は積極的に受診しましょう。
- ・目の病気は全身疾患と関連があると言われています。
高血圧の過剰治療による低血圧や睡眠時無呼吸症候群がある方は一度主治医にご相談ください。
緑内障クイズ
緑内障に関するクイズを本WEBサイトに掲載しました。
ぜひ挑戦してみてください。



日本緑内障学会の調査で、近視の人は緑内障を発症しやすい1)というデータがあります。40歳以上の20人に1人がかかる2)と言われていますが、初期は自覚症状があまりないため、発見が遅れる人も少なくありません。40歳を過ぎたら、年に1度は眼科専門医を受診して、「目の健康診断」を受けるようにしましょう。
詳しくはこちら
- 1) Iwase A, et al. Ophthalmology 111(9):1641-1648, 2004
- 2) 日本緑内障学会緑内障診療ガイドライン作成委員会: 緑内障診療ガイドライン(第4版). P18, 平成30(2018)年1月10日



緑内障は、眼底の血流が関わる病気で、血圧が高い人や血圧の薬で低血圧になっている人、従来から低血圧の人は緑内障になりやすいと言われています。40歳以上の20人に1人がかかっていた1)にも関わらず、初期は自覚症状があまりないため、発見が遅れる人も少なくありません。40歳を過ぎたら、年に1度は眼科専門医を受診して、「目の健康診断」を受けるようにしましょう。
詳しくはこちら
- 1) 日本緑内障学会緑内障診療ガイドライン作成委員会: 緑内障診療ガイドライン(第4版). P18, 平成30(2018)年1月10日



血縁者に緑内症の人がいることは、緑内障になりやすい体質をお持ちです。緑内障は40歳以上の20人に1人がかかる1)と言われていますが、初期は自覚症状があまりないため、発見が遅れる人も少なくありません。40歳を過ぎたら、年に1度は眼科専門医を受診して、「目の健康診断」を受けるようにしましょう。
詳しくはこちら
- 1) 日本緑内障学会緑内障診療ガイドライン作成委員会: 緑内障診療ガイドライン(第4版). P18, 平成30(2018)年1月10日



緑内障にかかると視野の一部が欠けてしまうため、道路標識や、歩道の人を見落としてしまうことがあり、免許更新ができない場合もあります。初期は自覚症状があまりないため、発見が遅れる人も少なくありません。しかし、早期発見・早期治療で運転寿命を伸ばすことが期待できます。40歳を過ぎたら、年に1度は眼科専門医を受診して、「目の健康診断」を受けるようにしましょう。
詳しくはこちら



40歳以上で、四十肩になる人は20~50人に1人1)なのに対し、緑内障になる人は20人に1人2)というデータがあります。しかし約9割の方が、緑内障に気づかないまま生活しています。40歳を過ぎたら、年に1度は眼科専門医を受診して、「目の健康診断」を受けるようにしましょう。
詳しくはこちら
- 1) Hsu JE, et al. J Shoulder Elbow Surg 20( 3): 502-514, 2011
- 2) 日本緑内障学会緑内障診療ガイドライン作成委員会: 緑内障診療ガイドライン(第4版). P18, 平成30(2018)年1月10日
- 監修 :
- 東北大学大学院 医学系研究科
神経感覚器病態学講座 眼科学分野 教授 中澤 徹 先生